国内屈指の湯治場!俵山温泉「町の湯」

 

千年以上の歴史を誇る名湯「俵山温泉」。日本を代表する湯治場の1つで、1981(昭和56)年には国民保養温泉に指定されました。長州藩の毛利家をはじめ、安倍晋三元総理の祖父である岸信介氏などが訪れたことでも有名です。

今もなお湯治療養で訪れる人が後を絶たない俵山温泉ですが、その原点ともいえるのが「町の湯」。この記事では、俵山温泉「町の湯」の歴史や泉質、効能、推奨されている入浴法など、基本情報を余すことなくお伝えします。

 

俵山温泉「町の湯」とは?

「町の湯」は、俵山湯町にある公共浴場の1つです。入浴客の多くは療養目的で利用しており、俵山の3つの源泉のうち「町の湯源泉」「正の湯源泉」を堪能できます。ただし「正の湯源泉」が楽しめるのは、ロビーにある飲泉場と家族風呂(2室)のみ。家族風呂は事前予約が必要なため、早めに問い合わせるのがベストです。

「町の湯源泉」は2つの浴槽(主浴槽/副浴槽)に分かれていて、主浴槽は1号湯、副浴槽は2号湯とも呼ばれています。両者の大きな違いは、源泉100%のかけ流しかどうか。

写真にあるとおり、2号浴槽(2号湯のこと)は一部循環かけ流しです。「最初から1号湯(源泉かけ流し)に入りたい!」と感じた方もいるかもしれませんが、それはちょっと待った。

古くから「町の湯源泉は効く」と言われていて、その効果は抜群。初めて入る方は、稀に湯あたりを起こすことがあるといわれています。ですから2号湯に数回入って体を慣らし、そのあと1号湯に入るのがおすすめです。

なお「町の湯源泉」が発見されたのは、今から千年以上前。第一発見者は猿などと言い伝えられていますが、真意のほどは定かではありません。いずれにせよ「町の湯」は長い歴史をもつ外湯といえます。

 

「町の湯」の泉質と効能

「町の湯」の泉質はアルカリ性単純温泉です。アルカリ性単純温泉とは、簡単にいうと刺激の少ない温泉のこと。温泉水1kg中の溶存物質量が1,000mg未満、湧出時の泉温25度以上、かつpH8.5以上であればアルカリ性単純温泉と認められます。

お湯がトロリと柔らかいのが特徴で、湯上り後はお肌がすべすべに。そのためか「町の湯」は美肌の湯と呼ばれることもあります。気になる効能についてですが、最も有名なのは神経痛やリウマチ。その他としては、筋肉痛、関節痛、疲労回復、健康増進、冷え性などが挙げられます。

 

推奨されている「町の湯」の入浴法

「町の湯」には推奨されている入浴法があります。その最たるものは次の7つです。

  • 1回の入浴は15~20分まで。首までお湯に浸かること
  • 1日の入浴は3回まで。各入浴のあいだを4時間以上空けること。
  • 入浴前はお湯や水(飲泉がおすすめ)を飲んでおくこと。
  • 食後の入浴は避けること。
  • 入浴前に体を洗うこと。
  • 湯上り後、汗がひいたら早めに着替えて水分補給をすること。
  • 湯上り後、30分から1時間ほど安静にして体を休めること。

これらの入浴法に関して興味がある方は、俵山温泉にまつわる書籍をチェックしてみてください。いっぽう「入浴法の要点だけわかればいい」という方は、「町の湯」の脱衣所またはお風呂の洗い場の上にある掲示板から確認するのがおすすめです。

ちなみに補足として触れておきたいのは入浴時間。15~20分までとありますが、これ以上お湯に浸かっても得られる効能は変わらないといわれています。むしろ湯あたりの原因になるため長湯は禁物。

また、15分より早く上がるのも控えた方がいいでしょう。体調が悪くならないかぎり、15分ちゃんと浸かることをおすすめします。ほんの数分だけお湯に浸かっても、十分な効果を期待することはできないからです。

以上、これらの情報を参考にしながら「町の湯」を堪能してみてください。湯治はもちろんのこと、心身ともにリフレッシュできること間違いなしです。

 

◆俵山温泉「町の湯」基本情報

2022年4月時点の俵山温泉「町の湯」基本情報をまとめました。足を運ぶ際は参考にしてみてください。

◆まとめ

交通機関が発達していなかったひと昔前、山々に囲まれた俵山温泉に足を運ぶことは容易ではなかったはずです。それでも療養のためにたくさんの人が足を運んだ理由は、効能が大変優れていたからだといえます。

療養で 「町の湯」を利用する人の中には、1ヵ月ほど滞在するケースも少なくありません。実際に足を運ぶ際は1ヵ月とまではいかなくとも、最低3~4日から1週間ほど滞在するのがおすすめです。卓越した効果を実感することができるでしょう。

 

PAGE TOP